もぐらくん

田舎に住んで公共工事のお手伝い。現場管理からCIMまで現場の実情を記事にします!!

CIM ・ 情報化施工

写真測量

寒くなり日中明るい時間が短くなり、『1日が早く過ぎていく』感じがしますね。

先週もあれこれと仕事をやっていますとあっという間に過ぎていき・・・・納期の期限が・・・と、悩んでいるばかりです。


またつまらない機材を作りまして、撮影に行っていましたが・・・失敗に終わってしまいました。

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トンネル内の撮影をするために作ったのですが、溶接個所やフラッシュのバッテリー問題など予想を超えてしまいダメでした。

とりあえずのテスト撮影でしたが”撃沈”でした。


でも昔から趣味の写真撮影ですが、近年はドローンと同じくデジタルカメラの写真で測量ができる時代になり、そうなって来ると高解像度の”一眼レフカメラ”を使わない手はないですね。


でも思った以上に写真処理の難しさを感じたところではあります。

まだデータ整理が出来ていないので、企画倒れになることも。成功したらまた記事にします。

3次元データの取り扱い (Trimble Business Center)

日曜日から急に気温が下がり今朝は、事務所内でも寒いですね。でも15度ぐらいはありますけど。

先週は3次元データの作成で始まりAutoCADCivil3Dの講習で終わりました。最近は建設業界でも3D化が進んでいますが、それを作成するソフトもどんどん高度化してお値段も高額的になっていますね。もちろんフリーソフトや格安ソフトを使用しながらでも、できることもありますが、サポートが無いというのは会社として導入するには厳しいところもあるでしょう。


そこでオイラが使っていて便利だなというソフトを時たま紹介してみます。


今結構な頻度で使っている3Dソフトで、地上型レーザースキャナーとセットで ”Trimble Business Center”略してTBCを入れましたができることが多いので、結構重宝しています。

しかしお高いソフトですが、サポートがほぼない。購入した営業マンに聞く形です。


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使い勝手もかなりマニア的。 でもできることは多いので、使い倒せれば便利ソフトです。


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できることを列記してみます。


・点群の合体  UAVやTLS点群をインポート

・点群のレイヤ仕分け 屋外設定 : 地面、建物、高植物、ポールや標識、電線

           屋内設定 : 壁、床、格子フロア、天井

          (仕分け精度はそれなりに。細かい設定はできません)

・範囲を選んで必要な点群のみエクスポート

・AutoCADのRECAP形式で出力が可能

・3DCAD機能 (オイラはまだ使えない)

・等高線や面データの変換

・ヒートマップなど出来形管理帳票の作成

・三次元計測

・Trimble のGNSSを取り付けているマシーンコントロール建機へのデータ変換


大きな点群が取り扱えないといわれていますが、5GBぐらいの点群は取り込むことが出来ています。またオプションでUAVなどの写真から点群を作れる外面もあります。(ちょっと気になる)


点群をAutoCAD Civil3Dに取り込むは AutoCAD RECAP というソフトを使わないといけないのですが、このソフトはまさかの変換のみ。ゴミ取りも何にもできないので、ゴミ取り・仕分けには別なソフトを買わないといけないのです。でもこのソフトは直接RECAP形式に出力できるので、Civil3Dを使っている人には便利だと思います。また時たまヒートマップの出来形管理を使用しています。

と、オイラが使っているソフトの感想です。

3次元データの発注図面

今週もいろんなお仕事のお話が来ていますが、単調な仕事ばかりでないので楽しむというか、悩んで知恵を出さないとやれない仕事も結構ありますね。ま、その方が楽しいのですけどもね。


先週は今後公共工事の3次元化について話をすることが出来ました。


建設業界に3次元化の波がやってきていますが、どこまで3次元化にするかです。 3次元化にする目的は 『仕事の効率化』が大きな目的なのですが、3次元にこだわって無駄なお金を出してしまう事もあります。


今後公共工事を3次元データで発注するようになり始めるので、設計コンサルタント会社さんでは、そのデータを作成を始めなければならなくなっています。

そこで先週末に、オイラが作ったバックホウの3Dマシーンデータをあるコンサルタント会社でも作成されて、2つを重ねて確認することをここの事務所で行いました。


オイラは、発注者の方から3次元データを施工会社に渡されてもそのままバックホウに入れることはできないでしょう。建築でもそうですが『施工図』と呼ばれる現場に合った図面に作り直す必要があります。


例えば補強土壁がある現場では下のような段々の基礎を施工するにあたり、とてもたくさんの丁張をかけるか、ずっと測量をする人を配置して床掘を行わないといけません。


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このデータを使って施工している現場の人に聞くと・・・

「めっちゃ楽!」バックホウオペ一人でこの複雑な床掘ができるのですから。と。


もし発注者の方から、『完成形の3次元データ』を渡されても、実際3次元データが活用しているのはこのように床掘や路床までのデータです。もちろん山切掘削・盛土などはそのまま完成形で渡されても使えるところもありますが、中途半端な3次元データを渡されても現場では使えないという事です。

で、オイラは今後発注図面を作る設計コンサルタントさんにお願いをしました。


「オイラ施工会社サイドの人間は発注図面を守って現場を作らなければならないので、複雑な3次元データを作成しています。しかしあなたたちは3次元データを作成しやすい設計図面を作ることが出来るわけです。例えば仮設道路をわざわざ曲線線形にしなくてもダンプは走れるのでもっと簡単に作れる道路・のり面にすることが出来るのでいろんな知恵を出してください」と。


今後は3次元データを設計コンサルタントの方が作るには、施工会社と手を組んで現場を見に行かないと、とんちんかんな3次元データとなってしまうでしょうね。

街中のUAV飛行

10月1日。コロナ緊急事態宣言が全国的に解除になりましたね。かといって大手降ってマスクなしで歩くことが出来ないので、生活はあまり変わらないかな〜と思います。


実はもう少し早く緊急事態が明けると思って遠方の仕事をいれていたのですが、ちょっと間に合わず予定通りここに行っていました。


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街中の上を飛行させるため、今回は”監視員”+”雑用係”でいっていました。
きちんとした行政からの仕事で、事前に警察や行政、そして地域の人への案内なども済ませたのちの業務なので、数か月前から準備をしての飛行なので簡単なことはないですね。


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今回は幅が1.5kmぐらいあり、目視できないこともあり、監視員を配置しての飛行となっていまして、自転車で走て監視をしていました。


どちらかというと、UAVが飛行していて『あれなんだ?通報するか!』を防ぐのもあるのですけどもね。 飛行の音や目視して気づいている人を見つけては、事情を説明することも重要です。

今回は「ママ! あれに乗りたい!!」

という子供をなだめるのも少々時間を取りましたけど。(笑)


今最新のUAV機を使われたのですが、電波や機体も安定してよかったですね。(操縦者はそう思っていないかもしれませんが:笑)


昔は大型のヘリコプターでしかできなかった業務をUAVで行っているのですが、まだまだ規制等が多く、いざすぐに! と街中を撮影するときは大型ヘリを使うほうが早いですね。
基本UAVは高度150mまで。反対に大型ヘリは高度300mまでしか降りれない。 この辺りで使用する機材・機体を選別しなければなりませんね。


監視して回っていて見つけたのがこの表示。

仮舗装に親切なペイントとがされていこれはいいな〜を感心しました。


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という事で本日から通常業務で溜まっている仕事に力を入れることにしましょう。

Airplay (画面ミラーリング)

稲刈りの時期となり、ここしばらくは雨が降ってほしくないと願っているもぐらです。

土木工事現場も天候と相談しながら行わないといけないので、雨が降らない方がうれしいものです。


でも最近の天気予報はよくわかるというか、時間形式で降雨情報が流れてくるようになりましたので、コンクリートなどを打設するときにはとても役に立ちます。

その情報をどのように仕事に応用するかが、今の仕事環境ではとても大切になりますね。


そんな情報をみんなで共有するのに、事務所で打合せ用大型モニターを入れている現場を見るようになりました。そんなオイラのところにモニターのレンタルの依頼が来まして・・・昨日取付に行ってきました。(でもオイラは電気屋ではありません:笑)

オイラのところに声がかかるという事は・・・何か便利で変わったことが出来るようにしないといけないと思って、モニターの機種を選んでみました。


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なんで、事務所のモニターに家庭用テレビなの? と思われますが理由は

1)大型モニターとなるとテレビの方が安い

2)いろんな機能が付いている


と、まあ以上のことですが、2番の”いろんな機能”というのは、このメーカーのテレビはAndroidで起動しているという事。つまりスマホの大きいバージョンです。


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起動セットアップがこんな画面ですからね。 ネットにつながっていればYouTubeが普通に見れますので。(笑)


しかしオイラがこのテレビを選んだ最大の理由は・・・
iPhone、ipadをメインで使用しているこの会社さんで、打合せに効率よく使用してもらうため、iPhone、ipadの画面をWiFiで簡単に接続するところ。

手順は以下に

1)テレビ、iPhone、ipadを同じWiFi環境に接続します。

  (ポケットWiFiではうまくいきませんでした。通常のWiFiルータをしようしてください)


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2)テレビの入力を ”Airplay” を選びます。


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3)iPhone、ipadの画面の上から下に画面をスライドして下記の画面を出します。

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そこの中に ”画面をミラーリング” というボタンが出ますのでタッチします。


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すると、テレビの型番が表示しますので、それをタッチして選択します。

初回のみ4桁の番号が、テレビに表示しますので、それを入力してリンクさせます。


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するとテレビにスマホ(iphone)の画面が表示されます。

(これはスマホをカメラにして向きにしています。)


現場で写真を撮ってきておけば、各自のスマホからすぐに画面に写真を映し出して話ができるよいう仕組みです。

その他の使い方として、事務所のWiFiを窓際に設置しておけば200m四方ぐらいWiFiは届くでしょうから、現場から映像を生中継するという事もできます。


ちなみに今のところこのAirPlayが使えるのはSONYテレビのみかもしれません。HDMIケーブルでつなげばどれでもできますけど、現場からの生中継は無理でしょうね。

余談ですが、WiFiルーターを”ルーターモード”にしておけば、モデムにつないでインターネットが出来なくても、このAirplayは使えます。 地元説明会などでも危険な個所の説明をモニターでその場で見てもらえるようになります。

という、家電芸人の記事でした。(笑)

交差点内の計画

今日から9月。学生だった頃は・・「8月ってなんでこんなに早く過ぎるんだ!」

と思っていましたが、最近は・・・「暑い・・早く8月を終わらせてくれ〜」状態です。

なので、昨日は「まだ8月だったんだ」てな感じでおりました。でも9月になっても残暑があるので気候は単純に月で変わるものではないんですけれどもね。


前回はイレギュラーな地上型レーザースキャナーの活用ですが、今日は正統?な地上型レーザースキャナーの使い方を。(笑)


これは今年初めのころの仕事でしたが、仕事のお題は、

「交差点内の舗装オーバーレイの計画高をしてほしい」 でした。


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現状として1つの道路は縦断勾配が大きく、もう一つは交差点内が一番低い縦断となっています。そのため交差点内の排水をどのように計画するかが大切でした。


今回の作業手順は、

1)地上型レーザースキャナーで現況地形の点群を取得

2)点群の不要なデータ ”ごみとり” + 交差点舗装部分のみの点群に
3)点群 → サーフェス(TIN)に変換


4)1cmピッチの等高線、水の流れを解析


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5)2路線の縦断図を作成

6)2路線の片勾配を計画 (滑らかに変化させないと通過する車の揺れが大きくなる)


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7)中央から路肩の排水溝への排水を計画 (等高線と水の流れで解析)


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8)計画の決定

9)舗装厚、As数量の算出


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10)サーフェスをタブレットPCに登録し、トータルステーションと連動

  (現場に平板ソフトとタブレットPCを貸出、舗装工事で使えるように設定)

      (どこを当たっても計画高さが表示できるように)

11)完成

という手順で行いました。


地上型レーザースキャナーを入れる前は、ひたすらトータルステーションのノンプリズム+秘密兵器(特許になるやつ)で路面を測り、こんな資料を作成していました。


このように資料を並べてみると・・・「オイラってこんな仕事をやっていたんだ」と過去のことはきれいに忘れてしまっていますね。(笑)

ハイエースの床マット

お盆はいつあったのか?という感じで過ぎ去りましたが、まだ8月なんですよね。暑いはずだ。


窓を開けて寝ていると、朝方は寒くて目が覚めてしまうのですが、年がら年中冬布団で寝ているオイラは布団をかぶるとOKなのですけど。(笑)

先週は遠方(700km先)に仕事で出かけていまして気付けば週末になっていましたが、今週は悩む現場の仕事に取り掛かることにします。


前回続き、車のことですがお盆中にまたやってしまったお話を。

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ハイエースのバンは荷台が広いのですが、一番奥に荷物を置くと荷台に上がらないと取れないのです。そこで、少しづつですが、ここに測量機やUAVを積めるように加工していくことにしています。


まずは床にマットを敷くようにしたいのですが、新聞紙などを使って型取りをしてもできるのですが、地上型レーザースキャナーを使ってみることにしました。


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任意基準点を車庫内に作成して室内を計測を開始しました。

すると早速問題が発生。 内装のプラスチックが黒いので、レーザーが返ってこないのです。


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実は試乗するときに iphone12Pro のレーザーを使って3Dを試みたのですが、きちんと計測が出来ていなくて3Dにならなかったのです。

地上型ならどうにか行くだろうと思っていましたが、ダメでしたので内装に手を加えてみることに。

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マスキングテープを張ってみました。(笑)


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点群を整理して必要なところのみにして、CADでトレースします。

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そして、原寸にプリントアウトです。古いロール紙を使って3分割で印刷です。

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用紙を貼り合わせて切り抜き、実車に合わせてみます。


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ほぼ問題は無いのですが、微調整をしてホームセンターで売っている”軽トラ荷台用ゴムマット”を切断しました。


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軽トラ用ではちょっと幅が足らないのですが、少々問題ないので、これで”床部分”は完成です。


結論から言いますと・・・手作業で型紙を作成した方が早いです。(苦笑)
でもCADデータが作れましたのでこれはこれで使えるかなと。


ここで自由にダウンロードできるようにしようと考えていますが、微調整したのをまだ直していないので、今日は見送りで。急ぐ方がいればコメントかメールでよろしくお願いします。

またバカなことをしてしまった・・・・。


新ドローンの能力

オリンピック真っ盛り!  とも言いましょうか、始まってしまうと自宅テレビはオリンピック競技の番組で見てしまいますね。海外の選手団の人も終わった後観光が出来なくて残念でしょうけどもね。

この暑いのに外で競技をするなんて・・・日本が嫌いになってしまいますよ!(笑) でも

「季節の良い春・秋にまた来てくださいね。」ですね。


先週はオイラと同じような会社を始められた方から仕事の依頼と、事務所での打ち合わせをしたりとか、CAD講習会が2日間有り、喋りまくったという感じの週でした。


会社を始められたという方と民間の現場を見に行ったのですが、まだどこをどのようにするかきちんとしていないため、まずは”平面図を作成してほしい”という依頼でした。現場が見晴らしの良い山と谷が続いているようなところで・・・空気はうまい!


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天気も・・・暑く・・・大きな機体でとりあえずUAVを飛ばして全容を取ってみようという事になりました。

GoogleEarthでどこの山・谷まで必要なのか施主さんに聞きエリアを作成してみますと・・・30haだとな。 


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今回は民間仕事なので、対空標識を最低限にしてこの機種で撮影しました。

レンズ35mm 4500万画素 高度150m で。とりあえずなので少々問題ないので最高速で撮影しました。GNSSの基地局を設置して飛行開始です。

撮影時間 20分。 以前持っていた機種では考えられない時間です。


解像度の関係でPhantom4では、ほぼ無理。INSPIR2にレンズ90mmをつけて飛ばせば何とか行くでしょうけど、2日はかかるでしょうね。



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少し大きめに撮影したのですが、結果 40haものエリアを撮影していました。

(道具の違いだな〜とつくづく感じてしまいました)


ジオタグ入りタイル形式で写真を出力していますので、CADに取り込むとこのようにメッシュのように張り付いてくれます。
工事現場など数百メートルのオルソ写真は1枚で作りますが、こんなに大きなエリアになるとタイル形式で出力していないと、くっきりとした写真を使うことができませんので。

(GPEGは30000ピクセル以下でないと使えないので)


山間部ですので高低差が100m近くあるのですが、中間ぐらいから飛行を開始していました。

でどのぐらいの解像度か切り抜いてみました。


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これが一番低い箇所にある家の屋根。


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これが一番上のあたりにある家の屋根です。


とりあえず・・・の撮影でしたが、これで十分なデータが撮れてしまいました。(笑)


機体の戦闘能力は上がったのですが・・・なにぶんにも ”デカい”。という事で搬送能力を上げる計画も立てておりますが・・・きりがないですね。

3D設計データ作成単価

本日から東京オリンピックの競技開始という事と、22日(木)〜25日(日)からオリンピック連休が始まりますね。実際昨日からとても暑くなってきましたので、事務所籠りしていたい感じです。


本日はお題の通りで、3次元データをバックホウなどに登録して、GNSSなどを使って重機位置を把握して3D形状をガイダンス(バケット位置をモニター表示)したり、3D形状にコントロールしてくれる重機が増えてきました。

これにあたり来年度からは、発注者からこの3Dデータを貸与してくれる動きになっていますが・・・果たして・・・・。


それで現在は国土交通省現場をはじめ、いろんな発注団体での i-Construction(

通称 i-con) 施行が行われており、その際重機に搭載する3次元データは施工業者で作成して施工業者から見積もりを出すことになっています。 おそらくこの見積もりを見て発注者さんは今後の積算(業務単価)を決められるのでは無いでしょうか。


これまでには「TSを用いた出来形管理」で、3次元もどきの3次元設計データの作成する単価はあるのです。ある発注団体はこの単価をバックホウなど重機に使う3次元データと同じだと勘違いをして i-con の見積もりを出すと・・・

「こちらで3次元設計データを積算すると〇万円になるのに何でおたくはそんなに高いの?」

と、突きつけられるところもあります。

積算内容をちょっと書くと道路路線が数本ありその中の40mほどの道路3Dデータ作成が・・・  2万円  と提示されてきたのですよね。経費つけても5万円はいかないのです。


積算歩掛って、〇〇km当たり   などのなっていまして、延長でその単価を割り戻してしまう事になるのですが、今回など1kmを40mで割り戻している金額になっているのですよね。

でも「TSを用いた出来形管理」の3Dデータ作成は、基本 20mごと に断面形状を入力することなんですよね。
道路を作るには20mごとの断面だけでは作れないのが現実。平面図や縦断図(片勾配)も反映して20mの間にも現場監督は高さ計算して施工しているのです。


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ちょっと図面を見ただけではわかりにくいかもしれませんが、1つののり面を作るにも”赤線”で記載している箇所の横断情報を入れないとこの法面は作れません。(片勾配や拡幅がありますので)この法面は40mぐらいです。でも設計横断図は3か所のみですね。


本日はマニアックな記事となりましたが、今後発注者から3次元データを作成するという事は、

いろんな道路が交差する部分なども精密に作ってもらわないと現場で施工はできないのです。ミスの3Dデータを渡されて現場ができても発注者の責任になります。

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(このように道路が接続するときは、個々にのり面と平場が交差するラインを計算しなければならないのです)


日本では発注図面をコンサルタント会社が作ることになるのですが、この責任を40mを5万円でやらせるのか・・・疑問であります。まだ正式な単価は決まっていないのですが、設計の3D化は簡単なものではないことを発注者には気づいてもらいたいです。

マシーン3Dデータの作成

6月も今週で終わりとなりますが・・・もたもたしているとあっという間に日にちが過ぎて行って気を引き締めて仕事をしないといけないと自分に言い聞かせている日々でございます。


ここのところ7月から始まるバックホウのマシーンコントロール(MC)のデータ作成が続いておりましてずっとモニターとにらめっこしていまして、気づけば”夕方”になっていますね。(苦笑)


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この現場も3Dで作っているとおかしなところが見えてきまして、発注者と構造変更をしながら作成しておりまして、作ってみては修正が続いています。


というのも、平面図は真上から見えている”図”なのですが、それを立体にするには線に”高さ”を持たせるというものになります。

それが何に影響するかというと・・・


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平面では直線で見えている部分ですが、実はこの赤囲いしている部分で道路の勾配変わりがあるので、その部分を立体図を横から見てみますと・・・・


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矢印の先がこのように折れている箇所ができてしまうのです。もちろん法面も折れてしまいます。

このようなことは土木施工をして丁張をかけている人には、当然わかることなのですが、発注図面を描いている方がそれをわかって工事用図面を作成されているかは・・・?疑問です。


今回も道路わきに水路がなかったり、小段の高さが違ったり、のり面が擦り、水をどこに処理するかなどなど、そのまま施工できない構造になっています。


今後このようなマシーン施工3Dデータを発注者から貸与されるようになると聞いていますが、実際はコンサルタント会社さんが作られるようになります。(断言!)

先日発注者サイドで、この3Dモデルを作る単価(歩掛)を見せてもらいましたが・・・安くてありえない数字になっていました。

今後AIを使った3D図面が作れるソフトウェアの開発が進んでいると聞いていますが、自然を相手にした図面を簡単に作成できるデータができるようになるのは簡単にはいかないかなとオイラは思っています。


もちろん工事現場で3Dの活用で、現場の職員の人数を少なくできるメリットはありますので、3D作成に予算を投入することはよいことだとも思います。


今は過渡期なので、新しいことへの取り組みと、3D活用したら無駄・おかしいところなどを抽出して次へつなげていく必要がありますね。

3Dプリンターの事情

梅雨本番という感じの天候になりましたね。最近スマホの天気予報・降雨予報がとてもよくなって助かります。1週間ぐらいの予定が出ると外の仕事をしているオイラ達には外の仕事でも計画を立てやすいですからね。


昨日は以前からやらないといけない・・・と思っていても、やった事が無いことなので躊躇していたことを行いました。


新しく買ったもののあっという間に壊れてしまった3Dプリンターの修理。


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1か月前からノズルが詰まって何もできない事になっていました。でもノズルの修理方法ってネットにあまり出ていないのですが、メーカーから動画が1本ありましたが、その通りにやっても直りませんでした。ネットを見てヒントを得てやっとのことでノズルを取り外すことが出来ました。(写真を撮り忘れました)

で、真鍮でできているノズルをこの工具一式で、火炎放射で焼き切ってやると詰まっていたノズルが復帰しました。(半日かかってしまいました)

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今日はこれから3Dプリンターを買う、取り扱っている人の参考に3Dプリンターの取り扱いを列記しておきます。


【3Dプリンターを選ぶ基準】

1)造形(動いている)時に静かな機種 (大きなもので10時間ぐらい動くので)

2)機体の大きさ (mm以下でベースを調整しているのでいつも動かさない方がよい)

3)ノズルの大きさ (ノズルが大きいのは造形が早いけど精細なのことには向かない

             例:ネジなどは上写真機種ではきれいにいかないです)

4)ノズルが1つの機種か、2つあるか

   (2つは2種類のフィラメント(材料)が使える。水に溶けるのもあります)

5)使えるフィラメント (プラスチック・ゴム・金属配合・水溶性など)などかな。

   フィラメントの種類のHP


【3Dプリンターを取り扱う人の基準】

1)ノズルが詰まるのは日常茶判事。自分で修理できるか。

2)3Dデータを作成するソフトを持っているか。またはネット上のフリーのデータだけ

   作れればよいか。


【3Dプリンターを運用する際の注意点】

1)フィラメントの購入。 通常PLA(硬化プラスチック)でも、品質がいろいろとあり、

   安いのは詰まりやすいですね

2)PLAも水分を含むようで、長時間3Dプリンターに取り付けていると、劣化して詰まり

   やすくなる。

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  密閉できる容器に乾燥材を入れて保管

3)水溶性サポート材(PVA)は、空気中の水分を吸い取ったら使えなくなる。
  (今回これで壊れました)
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昨日こんな容器を買ってきまして、今後はこれに入れたまま3Dプリンターで使えるように加工します。


ちなみにネジの作成はこちらの機種を使っています。どれでも作れるかと思っていましたが、一番上の写真の2ノズルタイプでは無理でした。印鑑もこちらの方が詳細に出来上がります。


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何にしてもきちんと管理をしないと使えない代物ですかね。

GNSSの活用

 今週は、標高700m超えの山の現場を歩きまくったり夜間仕事をして“ヘロヘロ君“になり、昨夜は足がパンパンになって、

「これ以上動きまくるとヤバいな」

という、体力の限界というか体力が減少していることになりました。(苦笑)


 前の会社の上司に数年ぶりに電話して話をしていると・・・


「おまえもええ歳なんじゃけ、若い者に現場をやらせていけばええじゃん。あ、ま、お前にこんなこと言ってもダメじゃな。昔っから自分でやらないとダメな奴じゃけ!」

と、言われました。(苦笑)


 この上司とは若き頃に何現場も一緒にやった人なので、30歳代になり、若手を連れて現場所長もやっていると若手を育てていくことが楽しくなりました。そして自分のスタイルは・・

「まず自分でいろいろと苦労・方法を見つけて若手に教えていく」

というスタイルになりましたね。


今週もいろんな業務をやっていましたが、この機材は今後の土木に必要だと感じた機材の一つ。


ネットワーク型GNSS(GPS) 観測機

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ネットワーク型GNSS機1つを持って歩けば2,3cmの精度でその位置を観測できる機材です。

土木では施工箇所だけの座標を持たせて図面を作ることがありますが、先週末にある建設会社から

「施工延長は400mの山道なんですが、基準点が何もなく発注されていてどうやって仕事を進めていけばわからないのです」と。

図面を見ますと、地域の等高線図面から横断図や道路線形を作成されており、どこから道路を作るか全くわからない発注図面でした。


山の中で木がいっぱい茂っている現場と聞いていましたので、まずは現場にGNSS機をもっていって確かめてみました。

なかなか衛星をとらえることができなかったのですが、このぐらい立木があるところでも数分即位したらFIX(高精度観測)ができました。
「山の中ではGNSS機はほぼ使えない」と、聞いていたのですが、オイラの機器だけなのか、とても安定して衛星をとらえてくれました。

やってみないとダメですね。


で、起点・終点周辺の位置を取得して、「基盤地図情報サービス」HPより5mメッシュの情報をとってきて3次元等高線を作成して線形の見直しや縦断図、横断図を作成しました。あとは現地に行って確認ですね。


今頃は5mメッシュには ”航空レーザ測量データ” も入っているところもあり、より正確になっていることだと思います。


でも、設計図を作成する会社もこのご時世、世界測地系の図面を作成しないと業界に通用しなくなることとなると思いますね。

路面切削機のマシンガイダンス

ここ最近黄砂がひどくて気分もどんよりになりますね。本日で令和2年度が終わり明日からは新年度という少し気分も上がるのでは?という日ですね。


1年を振り返るもあるように1年度を振り返ってみますと、西日本は3年前の豪雨災害復旧が続いており建設業は忙しい年度だったと思います。それに付随するオイラの仕事もいろいろと声をかけてもらっています。その中でも『業務改善』ということで、3次元データの作成やUAVや新しい測量方法の相談もたくさんありました。


その中で現場で実験も建設会社と一緒にさせていただいたりしました。

舗装修繕において舗装を滑らかさを決めるには、路面の切削の精度に大きく左右されるますので、品質・出来形を向上させるために先月はこれを使わせてもらいました。


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古いアスファルト舗装を削る 路面切削機(ロードカッター)に、マシンガイダンスができないかと測量機のプリズムをつけてみました。


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路面切削機は、上下左右の動きが複雑で、金具を取り付けるのに苦労しました。(汗)
仮取付なので単管で。


プリズムポールと単管の径が違うので、塩ビパイプを単管に入れてみました。


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単管と塩ビパイプの径も違うので、隙間をアルミ戸の張り替えようゴムを撒いて圧入するとしっかりと固定ができました。


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いざ現場へ。 


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路面切削機には左右にターゲット(プリズム)を取り付けてみました。

自動追尾トータルステーションは、”右側のプリズムだけ追尾!”を選ぶことがでできないので、片方はTrinmle TS 自動追尾だけ使える ”LEDプリズム”を設置して選別しました。


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TS出来形管理用3次元XMLデータを 福井PCのTREND-FIELDで設計切削路面高との差分を表示してオペレータに伝える。プリズム高は路面切削機のビットの先までを計測して入力しています。


通常は事前に路面に削る高さをスプレーで書いて、オペレーターさんが読み取って高さをコントロールします。


この写真の”赤の矢印”の鉄板が路面に接触してモニターに現況の高さがモニターに表示されます。でも、この写真のように路肩が土砂の場合、宙に浮いて高さを表示することができなくなる現場もあり、こんなところでは、マシンガイダンスにしておけば、正確に高さを決めることができます。


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でも問題点も多く見つかりました。

写真のように道路の側面から追尾させることができればよいのですが、狭いところやカーブでは、トラックやスイーパーが障害となり追尾ができない現場もあるかと。

今回は出来形・品質は良くなることがわかりましたが、根本的に路面切削機に、位置・高さを機械に取得させる方法を考えないと広域な現場には難しいですね。

次なる構想もあるので、また実験をしてみることにしましょう。(笑)

建設ITガイド2021

先週末から仕事や家のことなどいろんなことがありまして(良いことですよ)今週は・・・眠い。 いや仕事は普通にしていますが、どれも ホッと してしまい安堵で眠い状態です。


仕事では実験的なことをやっていたのですが、成功し、予想以上に ”いける!!”という成果が出ましたが、またの機会で紹介します。



さて、今年も『建設ITガイド2021』が発売されましたね。 BIM/CIMが始まって8年が経ちましたが、ソフトなどが充実して、現場でもいろいろと活用されるようになりました。


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活用事例やこれから始める人へのアドバイスなども載っていました。8年前にはまだまだソフトウェアや、役所の3Dの意識も少なく、現場での活用も ”勝手にどうぞ” 的なものでしたが、最近は発注者も活用に関しての理解があり、業者としてもBIM/CIMを始めて、業務の改善をされるのも良い時期だと思います。


昨日も現場の人との会話で・・・

「もう50歳を過ぎてるから・・・無理だろうな〜」

という話をされていましたが、 

「まだ50歳でしょ、これから何年土木をやるのです。3Dも本格的に現場で使われるようになって、5年も経っていないんです」

てなことで、いつまでたっても勉強をする気持ちを持っていれば現場での活用はできるようになるものと思っています。


話はそれましたが、こんな記事もありました。

『デジタル写真管理基準』の変更。


電子納品は始まって、いち早く始まった”デジタル写真の納品”


今後「JPEG」ファイルだけでなく写真に「レイヤ機能」つけたものが始まります。


例えば鉄筋に色つきの磁石を取り付けて撮影していましたが、撮影した後にPC上でマークを付けて明記することができるようになります。


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ということは・・・現場での鉄筋の写真撮影が早く簡素化になるということです。

土木技術者さんが記事を書いていますので”かゆいところに手が届く”内容になっています。(笑)

昔は大きな本屋さんを探していましたが、ネットで買うのが早い時代になりました。でも地域の本屋さんを活用しないといけないという時期にもなりました。


やはりネットで断片的な知識を入れるより、本をもって全体的な新しい技術を見ることは大切ですね。

のり面の面積算出

”2月は逃げる〜  ” 

といわれるぐらい2月の月日の流れが早いということ。もう半分来てしまいました。

今月初め頃 ”緊急業務”というか、

「ドローンでのり面の出来形(のり面の数量)を計測してほしい」

ということでやってみました。その手順を書いてみます。


現場は3年前の豪雨災害で崩壊した箇所の復旧。


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木々があり高低差が60m近くある箇所でドローンを飛ばすには高度は80mぐらいと高くなり、カメラレンズ35mm換算で24mmが付いているPhantom4PRO(ドローンの機種名)などでは、画素数が足らず鮮明にデータが作ることができないので、今回はレンズ交換できるINSPIR2(ドローンの機種名)に、85mm(35mm換算)レンズを取り付け高度120mから撮影してみました。(これでも地上当たり0.9cm/PXで撮影できます)

高低差が大きいので、レンズの絞りを大きくして、その分シャッター速度が落ちるので、ISO感度を上げてシャッタースピードを上げる。Autoでは撮影できないのですよね。

また真上からだけの写真では木の下が撮影できないので、手動で斜め写真を合体させ、崩壊した全体を点群にしました。


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1)写真から3次元点群を作成します。

2)点群編集処理ソフトで木や草等を削除します。

3)点群は2cm間隔ぐらいなので、大きく50cmぐらいに減らします。


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4)座標系に合わせた平面図に点群を貼り付け、施工範囲のみの点群にします。

5)点群からサーフェス(TINデータ)に変換する。

6)サーフェスの交点のX,Y,高さを抽出します。


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7)別なCADに点をプロットして5m程度に間引きします。

8)間引いた点にはX,Y,高さ情報を持たせていますので、3次元ヘロンを使用して数量を求めます。

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人間の手でのり面を計測すればよいのですが、施主様が ”ドローンで計測してみて!”ということだったので、こんな回りくどいことをやったのですが、大きな現場の法枠工法のところなどでも早く数量を出すことはできるでしょうね。

3次元のままで面積を出すことはできますが、まだ「根拠図面が・・・」という時代ですので、ヘロン図にしました。


昨日も 「ドローンを買って仕事をやってみようと思うのですけど」という人が来ましたが、
あなたはドローンで撮った写真をどのような作品にしてお客さんに渡されるのですか?
と質問をしてしまいました。(答えが出ませんでしたけど)
ドローンはあくまで現況の情報を取得する道具。お客さんが欲しいものは数量。そこを作り変える技術がないと仕事にはできません。

またマニアックなことをやってしまった・・・。

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もぐらくん

サラリーマンを辞め、田舎に住み、測量・土木一般の図面の出張サポート会社をやっています。
土木の3次元データ作成なども始めまして、まだまだ土木の発展を信じて仕事をしています。

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