今日の新聞に建設技術の継承支援という見出しがありました。
これは建設業課の若者の就職人気が低迷し、就職している
人も高齢化になっているため、国土交通省が支援するという
物です。
日本の4つのモデル事業が選ばれ、日本の匠の技に継承
に力を入れていくことが決まっていました。
今はIT・機械化が進み、楽の出来る仕事で生活できる時代
に成りましたが、土木・建築にしても人間の技無では作れない
構造物・建物が多く残っています。
この残った建物の修復や改築には日本古来からの技術が
非常に大切に成ってくる時がくると思います。
大きな声では言えないが(しっかり書いてるが)前会社は宮島の
厳島神社の修復や改修をずっと行っています。オイラの隣の
じっちゃんも以前厳島神社の宮大工をしていましたが、もう歳で
次の世代に教えることが無く歳をとられました。
このモデル事業は建設業のOBを雇い、職業訓練等で技術継承
を行うそうです。
以前の会社で若手であるオイラが現場を持ち出て行くにあたり
施工計画書ひとつをとっても、以前同じ工事をした人からの
技術はもらえませんでした。
「誰が何年か前に同じ工事をしたことがあるよ。」
と教えてくれれば、オイラはその人に過去の仕事を聞きに
行ったものです。けれど同じ工事をしたことさえ分からなければ
聞くに聞けないものです。
上司に話し、誰が何年前にどんな工事をしたのか一覧表にして
みんなに配布してもらいたいと要望したところ、
年度 工事名 発注者 担当者 主な工種 等詳しく
列記した表が出来上がりました。
新しい技術を磨く前に過去の技術も知ったうえで勉強したら
今では思いつかない技術も現れてくるのではないのでしょうか。










(土木では聞かない言葉だ・・・)
私は最近の傾向である、できあがったマニュアルを引き継ぐ手法は大嫌いです。
大事なのは「そこ」へたどりついた過程だと思うからです。
最近、ある道路の歴史を調べて再認識しました。
明治期の苦労も大変でしたが、昭和・・つい30年前の苦労も大変だったのです。
北海道限定ですが、寒冷地にどのように対応するかを試行錯誤していたのです。
その試行錯誤、苦労してできた工法を、私達は何の感動も無く、当たり前と思い使っているのです。
そこに私達の「落とし穴」があるのだと思います。
過程(過去)を知った上で、新しいものを磨く・・・同感です!