3D設計データ作成単価

本日から東京オリンピックの競技開始という事と、22日（木）〜25日（日）からオリンピック連休が始まりますね。実際昨日からとても暑くなってきましたので、事務所籠りしていたい感じです。

本日はお題の通りで、3次元データをバックホウなどに登録して、GNSSなどを使って重機位置を把握して３D形状をガイダンス（バケット位置をモニター表示）したり、３D形状にコントロールしてくれる重機が増えてきました。

これにあたり来年度からは、発注者からこの３Dデータを貸与してくれる動きになっていますが・・・果たして・・・・。

それで現在は国土交通省現場をはじめ、いろんな発注団体での i-Construction(

通称 i-con） 施行が行われており、その際重機に搭載する3次元データは施工業者で作成して施工業者から見積もりを出すことになっています。　おそらくこの見積もりを見て発注者さんは今後の積算（業務単価）を決められるのでは無いでしょうか。

これまでには「TSを用いた出来形管理」で、3次元もどきの3次元設計データの作成する単価はあるのです。ある発注団体はこの単価をバックホウなど重機に使う3次元データと同じだと勘違いをして　i-con　の見積もりを出すと・・・

「こちらで3次元設計データを積算すると〇万円になるのに何でおたくはそんなに高いの？」

と、突きつけられるところもあります。

積算内容をちょっと書くと道路路線が数本ありその中の40ｍほどの道路３Dデータ作成が・・・　　2万円　　と提示されてきたのですよね。経費つけても5万円はいかないのです。

積算歩掛って、〇〇ｋｍ当たり　　　などのなっていまして、延長でその単価を割り戻してしまう事になるのですが、今回など1ｋｍを40ｍで割り戻している金額になっているのですよね。

でも「TSを用いた出来形管理」の３Dデータ作成は、基本　20ｍごと　に断面形状を入力することなんですよね。
道路を作るには20ｍごとの断面だけでは作れないのが現実。平面図や縦断図（片勾配）も反映して20ｍの間にも現場監督は高さ計算して施工しているのです。

ちょっと図面を見ただけではわかりにくいかもしれませんが、1つののり面を作るにも”赤線”で記載している箇所の横断情報を入れないとこの法面は作れません。（片勾配や拡幅がありますので）この法面は40ｍぐらいです。でも設計横断図は3か所のみですね。

本日はマニアックな記事となりましたが、今後発注者から3次元データを作成するという事は、

いろんな道路が交差する部分なども精密に作ってもらわないと現場で施工はできないのです。ミスの３Dデータを渡されて現場ができても発注者の責任になります。

(このように道路が接続するときは、個々にのり面と平場が交差するラインを計算しなければならないのです）

日本では発注図面をコンサルタント会社が作ることになるのですが、この責任を40ｍを5万円でやらせるのか・・・疑問であります。まだ正式な単価は決まっていないのですが、設計の３D化は簡単なものではないことを発注者には気づいてもらいたいです。

Comments

[1. natsu]

もぐら様

発注者によっては、3Dデータ作成費40mで5万円以下で出来ると考えているのですか！！！

私個人の3Dに関する経験は10年以上前に１回だけの話になりますが、他社が手掛けていた採石場の開発案件を担当することになり、当時会社にあったAutoCAD2006で計画線や地形線にZ値を入力した後に3Dサーフェースを作成したのが唯一の経験です…（笑）

初めてのAutoCAD、初めての案件、地形線も計画線グチャグチャの手書き図面、そして初めての3D作成だったので12haのデータ作成に２ヶ月以上かかりました。

今の時代ならソフトも充実してきているでしょうからもっと短期間で3D化出来るでしょうけど、その為には設計の段階から3D対応の設計CADを使用しないと二度手間になるでしょうし、そもそも地形線も3D化してないともぐら様ご指摘のように横断面以外の個所の取り合わせが3D化出来ないと思います。

2Dの設計しか経験がなく、3DCADへの取り組みが遅れているところの設計者は負担ばかり増えて業務効率はかなり落ちると思いますが、国交省の仕事されているコンサルなら既に設計手法の3D化は対応済みなのかな。

それでも、その単価では無理じゃないかと思います。

[2. もぐら]

〇natsuさま

コメントありがとうございます。
自分は最初の３DはVecterWorksという建築系３DCADを使って、モデルや等高線を描くなどしていました。結局AutoCADに変更しましたが描き方に慣れるまで時間はかかりましたね。

発注時点で完成形の３Dができていれば現場監督の仕事は減りますね。(笑)でもそうはならないと思いますので、「ハイブリット型３D発注」にどうしてもなるでしょう。

「この部分のみ３Dを貸与。ほかは受注者で作成」的なものでないと無理でしょう。

道路設計などは条件などを入力して、自動化のソフト開発が進んでいるそうですが、案外と現場が単純化して施工が簡単になるかも。(笑)

[3. natsu]

もぐら様
最近データの3D化ソフトで良く耳にするのが、
　福井コンピュータのTREND-CORE
　建設システムのSiTECH 3D
2社とも有名な為、ネットではよくヒットしますし、You Tubeでもみかけます。

ただ、良いところばかり紹介されるので自分に合った使い方ができるか、他に連動させるソフトは必要か、など分からない所ばかりで実際に導入しないと何とも言えないと感じています。

ただ、どれか決めたら連動させるシステムまで決まって来るでしょうから、設計サイドなのか施工サイドなのか立ち位置によっても選択が分かれそうです。

設計サイドでは設計用の3DCADもありますから、更に使い分けが必要になるでしょうし、トータルの年間のサポート料が凄いことになりそうです。

極小個人事業主では鼻血もでません。
コストに見合った仕事になるのでしょうか？(笑)

設計3DCADは何年か前にデモンストレーションを見に行って質疑した限りでは、切り盛りは完全に自動作図するけど構造物の配置はある程度手作業になるような事を言われました。

あれから数年の歳月が立っていますから、どの程度進歩しているのか興味深いですが、年間サポート料が50万円ではおいそれとは…。

宝クジでも当たらないかなぁ…(笑)

[4. もぐら]

○natsu 様

3Dのソフトは高いですよね。しっかりと3D の仕事が来ないと買えないし、事前に買って慣れていないと仕事が取れないと痛し痒しですよね。
自分は2007年に3DCADを買って最近までお金にならなかったのが現実です。その分需要があり出すとすぐに業務が出来たのも確かです。

いろんなソフトがありますが、持っているヘビーユーザに聞くのが一番ですかね。