お盆は雨とともに終わった・・・ という感じでしたね。
広島県全域で12日から雨足が強くなり15日の朝方まで続きましたが13日の朝が雨がひどくて、特別警報や避難勧告・川の氾濫があり14日晩まで続きました。
氾濫している地域の友達に援助がいるかと電話したら・・・
「水が迫ってきたから、親2人を車に積んで避難中だけど、水があふれて行き場を失っている」というよう緊迫な感じで、逃げれそうな道などのアドバイスをしたぐらいになってしまいました。
14日〜15日は地元消防団の自宅待機や巡回パトロールになりました。
他の消防団員が巡回中に異常なものを発見したのですが、
「道路のひび割れが大きくなって道路も段差ができている・・・」
と。
オイラもあとからその現場に行ったのですが、こんな感じでした。
(この写真は次の日、当日は夜で雨が降っていて撮影してませんでした。これより地割れが小さかったです)
誰もが不思議がるだけでしたが、オイラはこれを見て、
「地山が動いている。地すべりが起こっているから立入禁止にして」
と判断しました。
周辺を見ると濃い濁れ水が出ているところも見つけてまだ地山が動いている証拠も見えました。
次の朝ドローンを持っていって、全体を把握してみました。
ここも静岡県熱海と同じような山頂付近で、道路わきは大きな谷になっているところです。
この太陽光パネルも3年前の西日本豪雨災害後に設置されたもので、これが直接の原因なのかはわかりませんが、確実に水の流れは変わっています。
このように現状の地形を変えないのなら、パネルを設置しても排水計画をしなくても良いのですが、パネルを張ることでパネルの下には水が浸透しなくなり、水が浸透する面積が小さくなるのです。すると水はどこかに集中することになり低い方に流れ出すようになります。
すると1箇所に集中して、地山の亀裂 → 地下に浸透 → 崩壊 となります。
地形の変更が無いのなら宅地造成法では、排水計画をしなくても良いかもしれませんが、
水の流れが変わる = 再度排水計画 → 太陽光パネルを設置を許可
をしなければオイラは絶対ダメだと思っています。
自然エネルギーを使うのなら、災害を起こさないように。また公共工事でも水の流れを考えてない計画も時たまありますので、施工する会社も”水の流れがおかしい”と気づいたら、設計を変更してもらうことも大切です。
この状況を見て直ぐに地盤が動いていると判断されたのは流石です。
写真を拝見する限りでは勾配が緩そうなので、地山斜面か、盛土法面のように思われます。
法面上部の背面亀裂の位置からみて余り深い滑りではなさそうですが、法肩から法すそまでの滑りが道路を押しているのか、法肩から道路を含み道路下の斜面まで滑り面を構成しているのかはもう少し詳細な現地確認しないとわからないでしょうが、当該区間は活き地盤まで掘削して活き地盤に段切りを行い、暗渠排水管や水平排水層を設けたり、籠工による法尻擁壁を設けるなどの対策が必要かと思います。
また、元々の道路の舗装面に亀甲亀裂が見受けられるので、路床自体軟弱だったかと思われます。山間部の一車線道路なので路床を構築していないかも知れませんね。
亀甲亀裂が舗装全面に見受けられることから、道路幅員内で、地山と盛土、または締まった地山と緩んだ表層土の境界があったとも思えないので、この区間だけ盛土であったか、そもそも地山が風化で緩んでいたかと思われます。
なので、長雨やそれに続く集中豪雨などにより透水性の高い緩んだ層が土の飽和水量を超え比較的締まった層と緩んだ層境で滑りが発生したものと考えられます。
背面亀裂より後方に太陽光発電パネルが見受けられますが、これにより少なからず水の流れ方が変わっているとは思いますが、今回崩壊しつつある斜面側に集中的に水が流れ込んだかは降雨時に現地確認して表面水の流れを確認するくらいしか方法はないでしょうね。
浸透水の流れ方向を確認するのは困難なので。
もぐらくん
が
しました