今日はちょっと専門的でマニアックな記事になりますが、ま、オイラも一応測量技術者として、ちょっと気になったことの実験をしてみました。


昨年夏より導入したGNSS測量器ですが、ネットワークRTKという使い方で使用しています。

全国に約1300か所に設置されている”電子基準点”(下記の写真)を使用して、観測してから数秒後には「数センチ(2cm程度)」の位置情報・高さ情報を提供してくれます。


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この数センチの補正をしてもらうには、「高精度GNSS補正情報配信サービス会社」と契約して補正情報を受け取る必要があります。 これまではオイラが知っているところで3社しかありません。 そして契約金額は・・・使い放題で20,000〜25,000円/月 と、少々というよりだいぶんお高いです。 しかしオイラもこの1年使ってきましたが、UAVと基準点測量を行う際には大変お世話になり、今更手放すことができないぐらいに使用しています。


で、本日の本題は、この「高精度GNSS補正情報配信サービス」を携帯電話会社の”ドコモとソフトバンク”が始められるということで、ドコモは10月末ごろから始まりました。

まずはドコモへ相談ということなのですが、直接電話をしてみて内容を聞いてみました。


1、申し込みでIDとパスワードをもらう

2、お試し期間で自分の機器で試す

3、良ければ本契約

4、値段 3,000円/月

5、国土交通省の電子基準点1300か所+ドコモの通信アンテナで補正

6、ドコモの通信アンテナは国土交通省の電子基準点より少ない


と、今のところこのような情報です。

そこで自分が問い合わせをしたのですが、知り合いの方が先にお試しでIDとパスワードをもらわれていましたので、昨日実験をしてみました。


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今回は測量機メーカー(PENTAX)のGNSS機と知り合いが数万円で作ったGNSS機2台を使用してみました。使い勝手が良いので操作機器は福井コンピューターのトレンドフィールドを使用。今年の夏から標高計算をしてくれるようになりましたので、便利となりました。


実験内容

 A機:PENTAX GNSS   B機:格安 GNSS

 高精度GNSS補正情報配信サービス会社

  A社:ジェノバ B社:NTTドコモ

  

1)A機をA社で3点観測。そしてA機をB社で3点観測

 

   結果

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   X,Y座標はGNSS誤差程度ですが、高さが最大で10cm程度誤差が出ている


2)A機とB機をそれぞれB社で2点を観測


  結果

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  X,Y座標はGNSS誤差程度。高さはフリーソフトアプリなので、未計測とします。


考察

 1)まだこの地域だけなので、精度を判断するには数字が少ない

 2)NTTドコモの補正サービスは、高さの誤差が大きい

 3)NTTドコモの補正サービスは X,Y はOK

 4)数万円のGNSS機でも X,Y座標はOK


と、第1回目のテスト結果を記載しておきます。


こんなことするぐらいなら、仕事をしろ! とお客さんに怒られそう・・