もぐらくん

田舎に住んで公共工事のお手伝い。現場管理からCIMまで現場の実情を記事にします!!

ドローン

路面調査

6月も終盤に入ってもほとんど雨が降っていなくて外の仕事はやりやすいのですけど、

「そういえば今年梅雨に入ったんだっけ?」

と今年は梅雨が無い?!のか?とネットで調べたら中国地方は6/14ごろに梅雨入りしたことになっていました。朝から気象庁の心配をしていました。(笑)


さかのぼるところ今月の初め。ある建設会社さんの工事でこんな仕事をさせてもらいました。


  ≪Mission≫ 道路の路面調査をUAVで


今回は約2.5kmをUAVで飛行して地上を撮影しました。


手順は

1)基本測量+工事用基準点を100mごとに歩道に左右に設置

2)飛行計画+関係周辺・役所へ許可

3)飛行

4)解析


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この道路は国道で、交通量は非常に多くUAV写真からオルソ写真(ゆがみのない連続の写真)を作るにはまずは”車を写さない”ことが大切ですが・・・まず無理ですね。


出来上がったオルソ写真にはこのように車が写ったものが出来上がってきました。

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それを点群・オルソ写真作成ソフトで写真を操作しますと・・・・


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このように車を削除して、路面が確認できるようになりました。必ず車が写りこむことを想定して、飛行ルートや撮影方法を考えて飛行していました。


ちなみにこの写真は地上70mから撮影しています。


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小さな測量ピン+白笠をつけて、100mごとの基準点を作成していましたが、このようにオルソ写真でも確認出来て、計算上誤差は全線基準点で数mmで作成されています。

ちなみにジオタグ(緯度経度情報付き写真)で作っていますので、写真をCADに取り込むだけでこのように正確な位置に張り付いてくれます。(いっさい手直しはしておりません)


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このUAV撮影で得られるデータは

 1)路面ひび割れ調査

 2)線形の作成

 3)道路幅員

 4)路面断面(この後TLSで測量していますので、どれだけの誤差があるか確認中)

 5)現況の平坦性


image(点群)


ちなみに今回作成した写真データ容量は35GB。

これをどのように取り扱うかが決め手ですね

のり面の面積算出

”2月は逃げる〜  ” 

といわれるぐらい2月の月日の流れが早いということ。もう半分来てしまいました。

今月初め頃 ”緊急業務”というか、

「ドローンでのり面の出来形(のり面の数量)を計測してほしい」

ということでやってみました。その手順を書いてみます。


現場は3年前の豪雨災害で崩壊した箇所の復旧。


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木々があり高低差が60m近くある箇所でドローンを飛ばすには高度は80mぐらいと高くなり、カメラレンズ35mm換算で24mmが付いているPhantom4PRO(ドローンの機種名)などでは、画素数が足らず鮮明にデータが作ることができないので、今回はレンズ交換できるINSPIR2(ドローンの機種名)に、85mm(35mm換算)レンズを取り付け高度120mから撮影してみました。(これでも地上当たり0.9cm/PXで撮影できます)

高低差が大きいので、レンズの絞りを大きくして、その分シャッター速度が落ちるので、ISO感度を上げてシャッタースピードを上げる。Autoでは撮影できないのですよね。

また真上からだけの写真では木の下が撮影できないので、手動で斜め写真を合体させ、崩壊した全体を点群にしました。


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1)写真から3次元点群を作成します。

2)点群編集処理ソフトで木や草等を削除します。

3)点群は2cm間隔ぐらいなので、大きく50cmぐらいに減らします。


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4)座標系に合わせた平面図に点群を貼り付け、施工範囲のみの点群にします。

5)点群からサーフェス(TINデータ)に変換する。

6)サーフェスの交点のX,Y,高さを抽出します。


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7)別なCADに点をプロットして5m程度に間引きします。

8)間引いた点にはX,Y,高さ情報を持たせていますので、3次元ヘロンを使用して数量を求めます。

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人間の手でのり面を計測すればよいのですが、施主様が ”ドローンで計測してみて!”ということだったので、こんな回りくどいことをやったのですが、大きな現場の法枠工法のところなどでも早く数量を出すことはできるでしょうね。

3次元のままで面積を出すことはできますが、まだ「根拠図面が・・・」という時代ですので、ヘロン図にしました。


昨日も 「ドローンを買って仕事をやってみようと思うのですけど」という人が来ましたが、
あなたはドローンで撮った写真をどのような作品にしてお客さんに渡されるのですか?
と質問をしてしまいました。(答えが出ませんでしたけど)
ドローンはあくまで現況の情報を取得する道具。お客さんが欲しいものは数量。そこを作り変える技術がないと仕事にはできません。

またマニアックなことをやってしまった・・・。

2017建設ITガイド

今年も発行されました『建設ITガイド」。

建設業の新しい技術の実情を教えてくれる本としてオイラは認識しています。


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今年は昨年発表された「i-construction」の、実情と実証実験などの報告内容が載っております。

この1年で”ドローン”の進化も大きく、ファームウエア(基本のソフト)を入れ替えると以前の機体が新しい機種に近づくことにもなり、良くなっていますね。

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このページなんか面白いですね。今のドローンでどのように飛ばすとi-con規定に合うようになるのか。
精度を1cmを2cmに変えることで、飛行時間とパソコンでの解析時間が約10倍も違うことなど、簡単には実験できない内容も載っていましたね。(惜しげもなく・・笑)

オイラは直接工事現場を管理することがないので、限られたところでしかi-conを試すことができないのですが、これから先にお金をかけてi-conを行われる建設会社さんには、ためになるものになる本だと思います。

昨年も数現場i-con、CIM,情報化施工などの現場への直接指導・講習をしましたが、誰もが効率が上がったことを体験してもらえました。

もちろその技術を自社のものにして初めて”コストダウン”に持っていけるのですが、学校教育ではここまで教えてくれないので、独自の勉強や会社主体での勉強をお勧めします。

こちらで売っています。
Book けんせつPlaza


建設ITガイドが2008年から発売されて、今年で9年目ですかね。


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最初のころはipadやタブレットの話がちらほら出ていましたが、今ではタブレットは通常ものとなっています。

さて、時代の流れに・・・オイラはどこまでついてゆけるのか?(苦笑)

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もぐらくん

サラリーマンを辞め、田舎に住み、測量・土木一般の図面の出張サポート会社をやっています。
土木の3次元データ作成なども始めまして、まだまだ土木の発展を信じて仕事をしています。

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