もぐらくん

田舎に住んで公共工事のお手伝い。現場管理からCIMまで現場の実情を記事にします!!

マシーンデータ

複雑な設計は嫌だ!

この日曜日より冬になりましたね。11月も夏みたいにだったのに、いきなり冬に叩き落されて慌てて冬支度をしました。2日前に仕事車もスタッドレスに交換して、これで雪道が大丈夫になりました。


さて今年も残す日数が減ってきましたが・・・・過密スケジュールになってしまっています。

現場もですが、書類が間に合っていないのが現状。お客さんに申し訳ないのですが、みなさんじっと我慢をしてくださっていまして、申し訳ないばかりです。


さて、ぎりぎりになっている書類(データ)の中に、バックホウのマシーンデータがあるのですが、道路部分でしたら横断図から作成できるのでっすけど、このような擁壁などの床掘では

図面を解き明かしていかないと出来ないので、時間がとてもかかります。


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特にこのような段差が多いところの部分はとても大変です。もちろん丁張で掘削するときも丁張仕事がとても時間や本数が増えて大変です。最近はブロック積も底の勾配がきつい個所ではこのような段差の設計になっています。



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実はこの段差の設計をされているコンサルさん(発注者さん)は、よく考えていただかなないといけないところです。


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床掘部分がこのように段々になるのは仕方がないのですけど、床掘のり面部も設計通りでしたらがたがたになるのですよね。

実際、バックホウでこのようなガタガタののり面を切ることは可能ですけど、オペさんは大変苦労されるでしょうね。

ではのり面が真っすぐに滑らかになるように掘削したいところなのですけど、裏込め砕石などが食い込み、材料費が損になってしまいます。


今回は裏込め採石が、ある部分はこのガタガタでMCデータを作成。構造物の前側は掘削しやすいようにこのように作成しました。

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手間暇はかかるのですけど、現場で早く施工できないとマシーンコントロールを使う意味がないのですからね。


ちなみにこの現場は、補強土壁や大型重力式擁壁が全部段差で施工する現場です。

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この丁張をかけることを考えると、まだマシーンの方が良いでしょうね。


ちなみに、今の日本のMCデータ作成用ソフトでは、この複雑なデータは作成はまず無理でしょう。なので、施工がしやすい構造を設計にしてくれる方が、どれだけありがたいか。


材料費は少々多くなっても、早く施工できる設計をしてくれて、施工の手間(単価)を安くする方が良いこともあります。

公共工事をトータルで考える必要がありますね。

3次元データの発注図面

今週もいろんなお仕事のお話が来ていますが、単調な仕事ばかりでないので楽しむというか、悩んで知恵を出さないとやれない仕事も結構ありますね。ま、その方が楽しいのですけどもね。


先週は今後公共工事の3次元化について話をすることが出来ました。


建設業界に3次元化の波がやってきていますが、どこまで3次元化にするかです。 3次元化にする目的は 『仕事の効率化』が大きな目的なのですが、3次元にこだわって無駄なお金を出してしまう事もあります。


今後公共工事を3次元データで発注するようになり始めるので、設計コンサルタント会社さんでは、そのデータを作成を始めなければならなくなっています。

そこで先週末に、オイラが作ったバックホウの3Dマシーンデータをあるコンサルタント会社でも作成されて、2つを重ねて確認することをここの事務所で行いました。


オイラは、発注者の方から3次元データを施工会社に渡されてもそのままバックホウに入れることはできないでしょう。建築でもそうですが『施工図』と呼ばれる現場に合った図面に作り直す必要があります。


例えば補強土壁がある現場では下のような段々の基礎を施工するにあたり、とてもたくさんの丁張をかけるか、ずっと測量をする人を配置して床掘を行わないといけません。


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このデータを使って施工している現場の人に聞くと・・・

「めっちゃ楽!」バックホウオペ一人でこの複雑な床掘ができるのですから。と。


もし発注者の方から、『完成形の3次元データ』を渡されても、実際3次元データが活用しているのはこのように床掘や路床までのデータです。もちろん山切掘削・盛土などはそのまま完成形で渡されても使えるところもありますが、中途半端な3次元データを渡されても現場では使えないという事です。

で、オイラは今後発注図面を作る設計コンサルタントさんにお願いをしました。


「オイラ施工会社サイドの人間は発注図面を守って現場を作らなければならないので、複雑な3次元データを作成しています。しかしあなたたちは3次元データを作成しやすい設計図面を作ることが出来るわけです。例えば仮設道路をわざわざ曲線線形にしなくてもダンプは走れるのでもっと簡単に作れる道路・のり面にすることが出来るのでいろんな知恵を出してください」と。


今後は3次元データを設計コンサルタントの方が作るには、施工会社と手を組んで現場を見に行かないと、とんちんかんな3次元データとなってしまうでしょうね。

3D設計データ作成単価

本日から東京オリンピックの競技開始という事と、22日(木)〜25日(日)からオリンピック連休が始まりますね。実際昨日からとても暑くなってきましたので、事務所籠りしていたい感じです。


本日はお題の通りで、3次元データをバックホウなどに登録して、GNSSなどを使って重機位置を把握して3D形状をガイダンス(バケット位置をモニター表示)したり、3D形状にコントロールしてくれる重機が増えてきました。

これにあたり来年度からは、発注者からこの3Dデータを貸与してくれる動きになっていますが・・・果たして・・・・。


それで現在は国土交通省現場をはじめ、いろんな発注団体での i-Construction(

通称 i-con) 施行が行われており、その際重機に搭載する3次元データは施工業者で作成して施工業者から見積もりを出すことになっています。 おそらくこの見積もりを見て発注者さんは今後の積算(業務単価)を決められるのでは無いでしょうか。


これまでには「TSを用いた出来形管理」で、3次元もどきの3次元設計データの作成する単価はあるのです。ある発注団体はこの単価をバックホウなど重機に使う3次元データと同じだと勘違いをして i-con の見積もりを出すと・・・

「こちらで3次元設計データを積算すると〇万円になるのに何でおたくはそんなに高いの?」

と、突きつけられるところもあります。

積算内容をちょっと書くと道路路線が数本ありその中の40mほどの道路3Dデータ作成が・・・  2万円  と提示されてきたのですよね。経費つけても5万円はいかないのです。


積算歩掛って、〇〇km当たり   などのなっていまして、延長でその単価を割り戻してしまう事になるのですが、今回など1kmを40mで割り戻している金額になっているのですよね。

でも「TSを用いた出来形管理」の3Dデータ作成は、基本 20mごと に断面形状を入力することなんですよね。
道路を作るには20mごとの断面だけでは作れないのが現実。平面図や縦断図(片勾配)も反映して20mの間にも現場監督は高さ計算して施工しているのです。


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ちょっと図面を見ただけではわかりにくいかもしれませんが、1つののり面を作るにも”赤線”で記載している箇所の横断情報を入れないとこの法面は作れません。(片勾配や拡幅がありますので)この法面は40mぐらいです。でも設計横断図は3か所のみですね。


本日はマニアックな記事となりましたが、今後発注者から3次元データを作成するという事は、

いろんな道路が交差する部分なども精密に作ってもらわないと現場で施工はできないのです。ミスの3Dデータを渡されて現場ができても発注者の責任になります。

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(このように道路が接続するときは、個々にのり面と平場が交差するラインを計算しなければならないのです)


日本では発注図面をコンサルタント会社が作ることになるのですが、この責任を40mを5万円でやらせるのか・・・疑問であります。まだ正式な単価は決まっていないのですが、設計の3D化は簡単なものではないことを発注者には気づいてもらいたいです。

マシーン3Dデータの作成

6月も今週で終わりとなりますが・・・もたもたしているとあっという間に日にちが過ぎて行って気を引き締めて仕事をしないといけないと自分に言い聞かせている日々でございます。


ここのところ7月から始まるバックホウのマシーンコントロール(MC)のデータ作成が続いておりましてずっとモニターとにらめっこしていまして、気づけば”夕方”になっていますね。(苦笑)


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この現場も3Dで作っているとおかしなところが見えてきまして、発注者と構造変更をしながら作成しておりまして、作ってみては修正が続いています。


というのも、平面図は真上から見えている”図”なのですが、それを立体にするには線に”高さ”を持たせるというものになります。

それが何に影響するかというと・・・


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平面では直線で見えている部分ですが、実はこの赤囲いしている部分で道路の勾配変わりがあるので、その部分を立体図を横から見てみますと・・・・


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矢印の先がこのように折れている箇所ができてしまうのです。もちろん法面も折れてしまいます。

このようなことは土木施工をして丁張をかけている人には、当然わかることなのですが、発注図面を描いている方がそれをわかって工事用図面を作成されているかは・・・?疑問です。


今回も道路わきに水路がなかったり、小段の高さが違ったり、のり面が擦り、水をどこに処理するかなどなど、そのまま施工できない構造になっています。


今後このようなマシーン施工3Dデータを発注者から貸与されるようになると聞いていますが、実際はコンサルタント会社さんが作られるようになります。(断言!)

先日発注者サイドで、この3Dモデルを作る単価(歩掛)を見せてもらいましたが・・・安くてありえない数字になっていました。

今後AIを使った3D図面が作れるソフトウェアの開発が進んでいると聞いていますが、自然を相手にした図面を簡単に作成できるデータができるようになるのは簡単にはいかないかなとオイラは思っています。


もちろん工事現場で3Dの活用で、現場の職員の人数を少なくできるメリットはありますので、3D作成に予算を投入することはよいことだとも思います。


今は過渡期なので、新しいことへの取り組みと、3D活用したら無駄・おかしいところなどを抽出して次へつなげていく必要がありますね。

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もぐらくん

サラリーマンを辞め、田舎に住み、測量・土木一般の図面の出張サポート会社をやっています。
土木の3次元データ作成なども始めまして、まだまだ土木の発展を信じて仕事をしています。

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