もぐらくん

田舎に住んで公共工事のお手伝い。現場管理からCIMまで現場の実情を記事にします!!

崩壊

災害を起こさない土木施工

こちらでもすっきりとしない天気が続きますが、東海地方は長雨で大変なことになっており、地域の人もそうですが、救援・復旧している人は2次災害を避けながら作業を頑張っていただきたいという気持ちです。

西日本災害も明日で3年が経ちます。当時を思い出すと、まずは人命救助優先で行方不明の方がいる地域では、災害復旧チームは入れないことになっていましたね。

次に生活基盤が壊れているところの復旧。道路は仮設。最低限のインフラ整備をして生活できるように行われていましたね。


オイラは鉄道関係の建設会社に使ってもらっていることもあり、UAVを持っていき土砂崩れなどの土量を算出しておりました。


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(山口県光市 山陽本線)


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(広島県東広島市志和)


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(広島県安佐北区白木)


仕事によっては工事の図面を作成にも携わっていますが、”水”の取り扱いから考えていかないといけないのですよね。

特に山・原野に道路や構造物を作成する際は、「元流れている水系を変えない」が鉄則です。つまり道路などを作成して水路の関係で隣の谷に水を流す場合は、隣の谷の流末はすべての水を流せれる能力があるかすべて調べないといけないのです。


それと土木工事では”地下排水”という地中にパイプを入れて地下水を取り、表面を乾かす工法がありますが、大雨になるとその地下水は 「小さな川」に変化するのです。

これが何に影響するかといいますと、盛土部に通ずる地下排水は盛土を流してしまう川に代わってしまうことがあるのです。

今回の静岡災害では盛り土部が崩壊したと聞いています。まだ原因は分からないのですが、目に見えない「地下水」。これが影響していることは確かだと思います。


自然災害は防ぐ努力と、人災になる施工をしないことが土木技術者に大切ですね。

のり面の面積算出

”2月は逃げる〜  ” 

といわれるぐらい2月の月日の流れが早いということ。もう半分来てしまいました。

今月初め頃 ”緊急業務”というか、

「ドローンでのり面の出来形(のり面の数量)を計測してほしい」

ということでやってみました。その手順を書いてみます。


現場は3年前の豪雨災害で崩壊した箇所の復旧。


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木々があり高低差が60m近くある箇所でドローンを飛ばすには高度は80mぐらいと高くなり、カメラレンズ35mm換算で24mmが付いているPhantom4PRO(ドローンの機種名)などでは、画素数が足らず鮮明にデータが作ることができないので、今回はレンズ交換できるINSPIR2(ドローンの機種名)に、85mm(35mm換算)レンズを取り付け高度120mから撮影してみました。(これでも地上当たり0.9cm/PXで撮影できます)

高低差が大きいので、レンズの絞りを大きくして、その分シャッター速度が落ちるので、ISO感度を上げてシャッタースピードを上げる。Autoでは撮影できないのですよね。

また真上からだけの写真では木の下が撮影できないので、手動で斜め写真を合体させ、崩壊した全体を点群にしました。


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1)写真から3次元点群を作成します。

2)点群編集処理ソフトで木や草等を削除します。

3)点群は2cm間隔ぐらいなので、大きく50cmぐらいに減らします。


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4)座標系に合わせた平面図に点群を貼り付け、施工範囲のみの点群にします。

5)点群からサーフェス(TINデータ)に変換する。

6)サーフェスの交点のX,Y,高さを抽出します。


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7)別なCADに点をプロットして5m程度に間引きします。

8)間引いた点にはX,Y,高さ情報を持たせていますので、3次元ヘロンを使用して数量を求めます。

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人間の手でのり面を計測すればよいのですが、施主様が ”ドローンで計測してみて!”ということだったので、こんな回りくどいことをやったのですが、大きな現場の法枠工法のところなどでも早く数量を出すことはできるでしょうね。

3次元のままで面積を出すことはできますが、まだ「根拠図面が・・・」という時代ですので、ヘロン図にしました。


昨日も 「ドローンを買って仕事をやってみようと思うのですけど」という人が来ましたが、
あなたはドローンで撮った写真をどのような作品にしてお客さんに渡されるのですか?
と質問をしてしまいました。(答えが出ませんでしたけど)
ドローンはあくまで現況の情報を取得する道具。お客さんが欲しいものは数量。そこを作り変える技術がないと仕事にはできません。

またマニアックなことをやってしまった・・・。

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もぐらくん

サラリーマンを辞め、田舎に住み、測量・土木一般の図面の出張サポート会社をやっています。
土木の3次元データ作成なども始めまして、まだまだ土木の発展を信じて仕事をしています。

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