もぐらくん

田舎に住んで公共工事のお手伝い。現場管理からCIMまで現場の実情を記事にします!!

設計

交差点内の計画

今日から9月。学生だった頃は・・「8月ってなんでこんなに早く過ぎるんだ!」

と思っていましたが、最近は・・・「暑い・・早く8月を終わらせてくれ〜」状態です。

なので、昨日は「まだ8月だったんだ」てな感じでおりました。でも9月になっても残暑があるので気候は単純に月で変わるものではないんですけれどもね。


前回はイレギュラーな地上型レーザースキャナーの活用ですが、今日は正統?な地上型レーザースキャナーの使い方を。(笑)


これは今年初めのころの仕事でしたが、仕事のお題は、

「交差点内の舗装オーバーレイの計画高をしてほしい」 でした。


image

現状として1つの道路は縦断勾配が大きく、もう一つは交差点内が一番低い縦断となっています。そのため交差点内の排水をどのように計画するかが大切でした。


今回の作業手順は、

1)地上型レーザースキャナーで現況地形の点群を取得

2)点群の不要なデータ ”ごみとり” + 交差点舗装部分のみの点群に
3)点群 → サーフェス(TIN)に変換


4)1cmピッチの等高線、水の流れを解析


image


image



5)2路線の縦断図を作成

6)2路線の片勾配を計画 (滑らかに変化させないと通過する車の揺れが大きくなる)


image


7)中央から路肩の排水溝への排水を計画 (等高線と水の流れで解析)


image


image


8)計画の決定

9)舗装厚、As数量の算出


image


10)サーフェスをタブレットPCに登録し、トータルステーションと連動

  (現場に平板ソフトとタブレットPCを貸出、舗装工事で使えるように設定)

      (どこを当たっても計画高さが表示できるように)

11)完成

という手順で行いました。


地上型レーザースキャナーを入れる前は、ひたすらトータルステーションのノンプリズム+秘密兵器(特許になるやつ)で路面を測り、こんな資料を作成していました。


このように資料を並べてみると・・・「オイラってこんな仕事をやっていたんだ」と過去のことはきれいに忘れてしまっていますね。(笑)

設計照査

今日公共工事においては、工事着手する前に“照査”をしなければならなく

なっています。

この照査、聞いたことがない・何のこと?という人もいると思います。

 

ですから今頃の国土交通省の工事で着手まで早くて3ヶ月、ひどいところでは

半年という現場をよく耳にします。

 

照査とはこの公共工事における設計が間違っていないか、

受注者の目で確認する目的です、私はこの工事に入る前の照査が、

VEにもつながるものと考えています。

「照査するのに時間もかかりコストが非常にかかるではないか!」

と思われるのも無理はありません。

橋梁やトンネル等非常に多くの工種が土木工事では備えられています。

現場担当者が始めてやる工種の設計計算など通常出来ないでしょう。

あれ、何かおかしいぞ?

照査要領書では橋梁設計書などの電算している“入力要素“を確認し、

そのことを発注者に報告するれば、発注者が設計をしたコンサルタント会社

に問いあわせをする。そこで新たに設計計算を行うようになります。

決して工事請負会社がお金を出して構造計算するものではありません。

発注者もこのあたりを履き違えている人が結構います。

 

「工事をやる前に構造計算をして提出しなさい」

今まで何度聞いたことやら。

「私たちは現地との整合性や入力要素を確認しますが、新たな設計は

発注者さんのほうでお願いします」

が本当の形でしょう。

しかし、現実このようなことはありません。早急に工事をするためには

自分で計画をし、協議を行う。これが現実でしょう。

 

このときに今後3次元CADがお役に立つときがくると思います。

 

土木技術者とは2D図面を確実に把握して、頭の中で3Dに変換し、完成の形を思い浮かべて施工しています。

そのため3Dを使い現況との整合性を確認した場合は、

 1、地形とあった計画が出来る。

 2、未来の形を目視でき、的確な作業手順が確立できる。

 3、現況不整合等により手戻りが少なくなる。

 

工事現場では多かれ少なかれ失敗による“手戻り”があり、このあたりが少なくなるだけでもコストダウンになるのではないかと考えています。

 

 

とても3Dなんて無理だ!

しかし技術は進歩しており0からCADを使い書くのではなく、現況を読み取って

現地との整合をとる。

こんな測量機器も出ています。

 

3Dの活用でこんなこともありました。

円型の橋梁があり、ハンチ部分の配筋加工形状が分からず

鉄筋の加工が出来ない現場がありました。

(設計図面の加工図は間違っていました)

そのとき3Dを使い、150mmピッチで縦・横と断面カット図を

作ることにより、的確かつ迅速に鉄筋加工図面を描くことが出来ました。

これは一例ですが、これからは3Dを使った工事が多々出てくるでしょう。

 

3DCADを使った設計照査が

工事現場に広がってくるのはそう遠いことは無いと思います。

月別記事
皆さんのコメント
自己紹介

もぐらくん

サラリーマンを辞め、田舎に住み、測量・土木一般の図面の出張サポート会社をやっています。
土木の3次元データ作成なども始めまして、まだまだ土木の発展を信じて仕事をしています。

アクセス(一人1日1回)
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

もぐらへのメール
カテゴリから検索
記事検索
QRコード
QRコード
もぐらのめ
スマホ・タブレットはこちらから
  • ライブドアブログ